猛暑が続く季節、気になるのはやっぱり汗のベタつきやニオイ。市販の制汗剤やデオドラント
も便利ですが、「できれば肌にやさしく、香りにも癒されたい」と思う方も多いのでは
ないでしょうか。そんな方におすすめなのが、植物の力を活かしたアロマスプレーです。
自然由来の精油を使ったアロマスプレーは、汗の不快感を軽減するだけでなく、気分を
リフレッシュしたり、ストレスを和らげてくれる効果も期待できます。この記事では、
暑い季節を快適に乗り切るためのアロマスプレーの魅力と、汗対策にぴったりの精油、
さらに自宅で簡単に作れるレシピまで、たっぷりとご紹介していきます。
汗をかくメカニズム
人間の体には約300万個の汗腺があり、体温調節のために汗を分泌します。汗は主に以下の
2つのタイプに分かれます。(サワイ健康推進課)
- エクリン腺からの汗:体温調節が主目的で、99%が水分
- アポクリン腺からの汗:脇や陰部に多く、タンパク質や脂質を含みニオイの原因となる

良い汗と悪い汗の違い
良い汗は塩分濃度が低くサラサラしており、すぐに蒸発して体温調節機能を果たします。
一方、悪い汗は塩分濃度が高くベタベタしており、蒸発しにくいため細菌が繁殖しやすく
ニオイの原因となります。健康長寿ネット
アロマが汗対策に効果的な理由
アロマが汗対策に効果があると考えられる理由は次の点です。
抗菌・殺菌作用
多くの精油には強力な抗菌・殺菌作用があります。
特にティーツリーに含まれるテルピネン4オールという成分は、ニオイの原因となる細菌の
繁殖を抑制する効果があります。アロマタイム
冷感作用と精神的効果
ペパーミントなどの精油は冷感作用により体感温度を下げ、発汗量を減らす効果が期待
できます。また、アロマの香りはストレスを軽減し、精神的な発汗(緊張による汗)を
抑制する効果もあります。
天然成分の安心感
化学的な制汗剤に比べて、天然の精油を使用したアロマスプレーは肌への刺激が少なく、
敏感肌の方でも安心して使用できます。
汗対策におすすめの精油
汗対策におすすめの精油をいくつかご紹介します。
ペパーミント
- 主成分 メントール(Menthol):冷却作用・鎮痛作用
メントン(Menthone):爽快感・神経刺激
イソメントン(Isomenthone):香りの調整
1,8-シネオール(Eucalyptol):去痰作用(微量) - 効果:冷感作用、消臭効果、体感温度の低下
- 特徴:清涼感のある香りで即座にクールダウン効果を実感
頭をすっきりさせたいときや集中力を高めたいときにも使われます - 使用時の注意:刺激が強いので敏感肌や小児は要注意
ティーツリー
- 主成分 テルピネン-4-オール(Terpinen-4-ol):抗菌・抗ウイルス作用の中心成分
γ-テルピネン(γ-Terpinene):抗酸化作用
α-テルピネン(α-Terpinene)
1,8-シネオール(Eucalyptol):含有量が多すぎると刺激に - 効果:強力な抗菌・殺菌作用、デオドラント効果
- 特徴:オーストラリア原産の万能オイルとして有名
- メリット:ニオイの原因菌を根本から抑制
抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用に優れ、肌トラブルや風邪予防にも
ユーカリ
- 主成分 1,8-シネオール(Eucalyptol):去痰・抗菌・抗ウイルス作用
α-ピネン(α-Pinene):抗炎症・気管支拡張作用
リモネン(Limonene):抗菌・リフレッシュ作用(微量) - 効果:抗菌作用、清涼感、呼吸器系のサポート
- 特徴:シャープで清々しい香り
呼吸器系への作用に優れており、鼻づまり・咳などの症状に効果的とされます。 - 相性:ペパーミントとの組み合わせで効果アップ
ラベンダー
- 主成分 酢酸リナリル (Linalyl acetate): 30-40%
リナロール (Linalool): 30-40%
その他: リモネン、ゲラニオール、ネロール、シネオール、d-ボルネオール - 効果:抗菌作用、リラックス効果、肌の調整
- 特徴:万人に愛される優しい香り
- メリット:ストレス性の発汗を抑制
レモングラス
- 主成分 シトラール(Citral)(ゲラニアールとネラールの混合物)
→ 強いレモン様の香り、抗菌・抗真菌作用
ゲラニオール(Geraniol):抗菌・防虫作用
ネロール(Nerol):鎮静・抗炎症作用
ミルセン(Myrcene):鎮痛・抗炎症作用 - 効果:消臭作用、抗菌作用、虫除け効果
- 特徴:柑橘系の爽やかな香り
柑橘系のすっきりした香りで、防虫やリフレッシュに人気。抗菌・抗真菌作用も高い - 付加価値:夏の虫除け効果も期待できる
- 注意:皮膚刺激があるため希釈濃度に注意
併用もおすすめ!
ブレンドすることで、相乗効果も期待できます。
- ユーカリ+ティーツリー:風邪予防&抗菌・抗ウイルス
- ペパーミント+レモングラス:爽快な香りで夏のデオドラントスプレーに
使う際は、希釈(1〜2%程度)やパッチテストを忘れずに行いましょう。
手作りアロマスプレーのレシピ

基本のデオドラントスプレー(50ml)
材料:
- 無水エタノール:5ml
- 精製水:45ml
- お好みの精油:10-15滴
- スプレーボトル(遮光性推奨)
作り方:
- スプレーボトルに無水エタノールを入れる
- 精油を加えてよく混ぜる
- 精製水を加えて再度よく振り混ぜる
- 使用前に毎回よく振ってから使用
フレーバーライフのレシピを参考にしています。
クールミントスプレー(清涼感重視)
精油ブレンド(合計12滴):
- ペパーミント:6滴
- ユーカリ:4滴
- ラベンダー:2滴
抗菌力重視スプレー
精油ブレンド(合計15滴):
- ティーツリー:8滴
- レモングラス:4滴
- ラベンダー:3滴
女性向けエレガントスプレー
精油ブレンド(合計10滴):
- ラベンダー:5滴
- ゼラニウム:3滴
- ベルガモット:2滴
効果的な使い方とコツ
効果的な使い方も大切です。
使用タイミング
- 朝のお出かけ前:清潔な肌に使用
- 日中の汗をかいた後:軽く汗を拭き取ってから使用
- 運動前後:予防と事後ケアの両方で活用
使用部位
- 脇の下
- 首回り
- 手首・足首
- 背中
- 足の裏
注意点
- パッチテスト必須:初回使用前に必ず皮膚の一部でテスト
- 目や粘膜を避ける:顔に使用する際は特に注意
- 妊娠中・授乳中:使用前に医師に相談
- 保存期間:手作りスプレーは1-2ヶ月で使い切る
その他の汗対策との組み合わせ
その他、気をつける点をご紹介します。
食事面での対策
ショウガや酢などの代謝を向上させる食品を取り入れることで、良質な汗をかきやすく
なります。生活クラブ
運動による汗腺トレーニング
適度な運動で汗腺を鍛えることで、塩分濃度の低いサラサラした良い汗をかけるように
なります NHK。
半身浴での汗腺ケア
37-38℃のぬるめのお湯での半身浴は、汗腺機能を向上させる効果があります。
まとめ
暑い季節の汗対策におすすめなのが、精油を使ったナチュラルなアロマスプレーです。
ペパーミントの冷感作用やティーツリーの抗菌効果など、植物由来の精油は汗のニオイを
抑えるだけでなく、リフレッシュやリラックス効果も期待できます。市販の制汗剤では
刺激が気になる方や、肌にやさしい方法を探している方にぴったりのアロマケア。
朝の外出前や運動後のケアに、精油の香りと効果を活かしたアロマスプレーをぜひ取り入れて
みてください。天然成分でつくる手作りの汗対策は、毎日を快適に過ごすための強い味方に
なります。
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